特定非営利活動法人 全国視覚障害児童・生徒用教科書点訳連絡会

2011年度第1回セミナーのご報告

去る6月11日(土)に今年度第1回セミナーが行われました。

まず初めに、講師の方々をはじめ、ご参加いただいた皆様に感謝申し上げます。

今回のセミナーでは、今年度改訂となった小学校教科書について言及し、特別支援学校用教科書と通常学校用のものと、それぞれを製作する上での工夫点や配慮した点を各編集委員・製作者から報告 していただきました。科目は、1年生の算数と、3・4年用の社会を取り上げました。

算数については、1年生では図を認識する上で重要な発達段階であり、それを考慮した製作をしているという発表がありました。特別支援学校用の教科書には副読本として製作された図を読む練習教材が会場で展示されました。

丸、三角、四角などの図形や、線のたどり方を練習するページなど、将来図を読み解く力を付けるには、非常に有効な教材でした。また、通常学校用の教科書製作においては学校との連絡を密に取りながら製作に取り組んでいることが報告されました。

社会については、地図の作り方やグラフの処理に関することが発表の中心でした。特に読みやすいレイアウトにするための地図と凡例の配置、グラフの書き方などは様々な工夫が見られました。

その後、会場で質疑応答が交わされました。教科書もヴィジュアル化が進む中で、視覚障害児童・生徒にとって分かりやすい教科書とは何か、また視点を変えて目の見える児童・生徒も見えない児童・生徒もいっしょに学べる教材作りが必要だという意見が出されました。

次回のセミナーは秋に大阪で開催する予定です。

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